シェイクスピアの時代 -16世紀の文学- トマス・モア『ユートピア』を中心として

時代思潮  シェイクスピアの時代 -16世紀の文学-を取り上げる。この時代は近代国家が成立したであった。チュダー朝の始祖ヘンリー7世(Henry 7, 1457-1509)は戦争によって弱体化した封建貴族の力を奪い、中央集権的国家統治を確立した。また、羊毛生産や織物貿易などにより中世ギルドは壊滅し、貨幣経済が発展した。  絶対君主として父から権力と財力をヘンリー8世(Henry 8, 1491-1547)は引き継いだ。ヘンリー8世は離婚、再婚や政治権力の問題からローマカトリック教会と袂を分かち、国王自身が首長となる英国国教会(the Church of England)を創立した。さらに、カトリック教会の修道院私有地を没収し、新興ブルジョワ階級に廉価で与え、ブルジョワ階級の資本蓄積を助けた。  さらに、1517年にはドイツにおいてルターによる宗教改革が始まる時代でもある。  近代国家と貨幣…

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