1人1台時代を切り拓くAIロボット開発最前線

帰宅すると家事をすべてこなす人型ロボットが出迎えてくれる──そんな未来を予感させる技術革新が今、ロボット開発の現場で進んでいる。鍵を握るのは、人間の動きをAIに学習させる手法である。本稿では、その最前線を取材した内容を紹介する。 動画が衝撃を与えた洗濯物折りたたみロボット 2024年10月、ある米国ベンチャー企業が公開した動画が業界を驚かせた。二本の腕を持つ人型ロボットが、乾燥機から取り出した衣類を種類ごとに見分け、手際よくたたむ様子は、まさに人間さながらである。さらに、ボウルに盛られた卵をつぶさずに割り取り、パックに収納するデリケートな動作も披露された。従来のプログラミングでは困難とされた、柔軟かつ繊細な動きの実現であった。 プログラミングからAIへ──発想の転換 従来の産業用ロボットは人間が細部までプログラムした通りに動く仕組みだった。しかし、生成AIの核技術「ディープラーニング」によ…

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