社員の適応障害とは何か ── うつ病との相違点と組織の対応策だ

社員が適応障害を発症すると、職場での働きぶりや復職プロセスに大きな影響を及ぼす。適応障害は、職場環境の変化や人間関係のトラブルなど明確なストレス要因が引き金となり、出来事から3か月以内に抑うつ状態や欠勤の増加などの症状が現れる診断名である。日常業務への支障は一時的であるものの、気分が落ち込みエネルギーが乏しくなるため、うつ病と間違われやすいという特徴を有する。 適応障害の診断基準によれば、ストレス要因が解消されれば6か月以内に症状が改善するケースが多い。一方で、うつ病は複数の要因が重なって発症し、強い抑うつ状態が長期に続くため、原因の特定が困難であることが多い。したがって、適応障害ではストレス因の除去と職場環境の調整によって早期回復が見込めるが、うつ病では長期的な治療計画と包括的なケアが必要となる点で異なる。 組織が留意すべきは、たとえ「うつ病」の診断名が付されていても、適応障害の可能性を…

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過労自殺、半数近くうつ病などの精神疾患発病から6日以内に死亡

 2012~17年度に過労自殺で労災認定された497人のうち、半数近くがうつ病など自殺原因となる精神疾患の発症から6日以内に死亡していたことが25日、厚生労働省の調査で分かった。医療機関を受診することなく自殺に至った人も多く、過労自殺の防止に向け異変を早期発見する重要性や、対処の難しさが浮かんだ。  厚労省は、12~17年度に精神疾患を発症し労災認定された自殺者全497人を調査。それによると、発症から死亡までの日数は「6日以下」が235人(約47%)で最も多く、「7~29日」93人(19%)、「30~89日」75人(15%)などが続いた。

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