シェイクスピアの時代 -16世紀の文学-時代変化する時代の文学たち

時代思潮  16世紀の文学を取り上げる。この時代は近代国家が成立したであった。ヘンリー7世(1457-1509)は戦争によって弱体化した封建貴族の力を奪い、中央集権的国家統治を確立し、貨幣経済が発展した。  絶対君主として父から権力と財力をヘンリー8世(1491-1547)は引き継いだ。ヘンリー8世は離婚、再婚や政治権力の問題からローマカトリック教会と袂を分かち、国王自身が首長となる英国国教会を創立した。  さらに、ドイツにおいてマルティン・ルター(1483-1546)が「九十五か条の論題」(1517)を発表し、この論題は全ドイツに広まり、宗教改革運動へとつながった。  近代国家と貨幣経済の発展によって、経済格差が広がるようになった時代とも言える。また、英国のローマカトリック離脱を含め、ローマカトリック教会のヨーロッパ支配が弱体化しはじめた時代である。 代表作家と作品 トマス・モア  トマ…

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クリストファー・マーロウ

クリストファー・マーロウ(Christopher Marlowe、洗礼日1564年2月26日 - 1593年5月30日)  イギリスの詩人,劇作家.  カンタベリの靴屋の子として生まれる.ケンブリッジ大学を出(文学士 [1584] ,文学修士 [87] ),ロンドンで劇作家となった [87頃] ,いわゆる大学才人の一人.五脚無韻詩を自在に操り,力強い人格造形を特徴とする劇作品で早くから活躍し,同年生まれのシェイクスピアにも影響を与える.主要作品に,ティムールを主人公として無限の征服欲を描いた《タンバレイン大王二部作:Tamburlane the Great, 1590》,ファウスト伝説を劇化した《フォースタス博士の悲劇:The tragical history of Doctor Faustus, 1604》,ユダヤ人豪商の復讐と破滅を描いた《マルタ島のユダヤ人:The Jew of Ma…

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フランシス・ベーコン

初代セント・オールバン(ズ)子爵フランシス・ベーコン(英: Francis Bacon, 1st Viscount St Alban(s), PC, QC、1561年1月22日 - 1626年4月9日)  イギリスの法律家,政治家,哲学者。ロンドンに生まれケンブリッジ大学に学ぶ。ロンドンのグレイズ・イン法学院在学中にパリに行き,帰国後の1582年法廷弁護士になった。84年下院議員に選出されたが,栄達を求め叔父のロバート・セシルに働きかけた。エリザベス女王が最も信頼する重臣セシルもベイコンの要求には応じ得なかった。ベイコンはそこで女王お気に入りのエセックス伯をパトロンとしたが,公的な生活では恵まれず,1601年の反乱の失敗で処刑されたエセックスが反逆者であるという公式文書を執筆する役目を負い,多くの人々に後味の悪い印象を与えた。エリザベス女王が没し,スコットランド王ジェイムズ6世がジェイムズ…

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トマス・モア

トマス・モア(英語: Thomas More, 1478年2月7日 - 1535年7月6日)  イギリスの政治家,人文主義者。法廷弁護士のジョン・モアを父として生まれる。ロンドンの聖アントニー校での初等教育を経て,カンタベリー大司教ジョン・モートンの近習となり,彼の助言を得てオクスフォード大学カンタベリー学寮(のちにクライスト・チャーチに合併)に学ぶ。父同様,法廷弁護士の資格を得て名をあげる一方,チェルシーに館を構え,当代一流の知識人・文化人と国際的な交際を繰り広げる。そのなかには,エラスムス,ホルバイン,ジョン・コレット,リリー,ギリシャ語の師ウィリアム・グロシンなどがいた。  1504年国会議員になり,翌1505年マーガレット・コルトと結婚。10年ロンドン州長官代理,11年には妻に先立たれるが,同年アリス・ミドルトンと再婚している。15年フランドルへ外交使節の一員として派遣される。この…

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シェイクスピアの時代 -16世紀の文学- トマス・モア『ユートピア』を中心として

時代思潮  シェイクスピアの時代 -16世紀の文学-を取り上げる。この時代は近代国家が成立したであった。チュダー朝の始祖ヘンリー7世(Henry 7, 1457-1509)は戦争によって弱体化した封建貴族の力を奪い、中央集権的国家統治を確立した。また、羊毛生産や織物貿易などにより中世ギルドは壊滅し、貨幣経済が発展した。  絶対君主として父から権力と財力をヘンリー8世(Henry 8, 1491-1547)は引き継いだ。ヘンリー8世は離婚、再婚や政治権力の問題からローマカトリック教会と袂を分かち、国王自身が首長となる英国国教会(the Church of England)を創立した。さらに、カトリック教会の修道院私有地を没収し、新興ブルジョワ階級に廉価で与え、ブルジョワ階級の資本蓄積を助けた。  さらに、1517年にはドイツにおいてルターによる宗教改革が始まる時代でもある。  近代国家と貨幣…

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イギリスの児童文学について

 イギリスの児童文学について以下においてまとめる。 中世の児童文学  イギリスで英語によって書かれた子どもの本が出版され始めたのは14世紀であった。このときの本の種類は、教科書や宗教書、行儀作法などの訓育書が主であった。さらに。当時本を入手し文字が読める子どもの数は限られていた。なお、イギリスにおいて、子どもの読書層がかなり形成されてくるのは、新興中産階級が飛躍的に増大し識字率が向上した18世紀後半以降のことである。  一方、本としてではないが、子どもの身近には口伝伝承の文芸が多く存在していた。神話、伝説、昔話、寓話など、昔から口伝伝承されてきた文学は子ども向けを意識したものではなかったが、キリスト教の道徳観の本にはない魅力と娯楽性で子どもを惹きつけた。 近世の児童文学  16世紀ごろから、行商人が売り歩き庶民に広まった挿絵つき廉価本チャップブックにも、多くの伝承文学が含まれていた。  1…

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英語コミュニケーション能力を向上させる授業

1. 英語コミュニケーション能力の定義  文科省懇談会による「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」(2002, 2003年)は、日本人に求められる英語力として、次のような到達目標を示した。  国民全体においては、中学校・高等学校を卒業したら英語でコミュニケーションができる。中学校卒業段階では、挨拶や応対、身近な暮らしに関わる話題などについて平易なコミュニケーションができる(卒業者の平均が英検3級程度)を想定した。また、高等学校卒業段階では、日常的な話題について通常のコミュニケーションができる(卒業者の平均が英検準2級~2級程度)そして、大学を卒業したら英語が使える。  そして、この到達目標を改定すべく、「外国語能力の向上に関する検討会」は「求められる英語力」を次のように示した。(2011年)  円滑にコミュニケーションを図ることができる能力とは、例えば異なる国や文化の人々と臆せず…

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