3メガ銀、純利益4兆2400億円で過去最高 関税リスクにも警戒


2025年3月期の3メガバンクグループ3社の決算数字が5月15日に出そろった。純利益は三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループのいずれも過去最高を更新し、3社合計で前年同期比7.9%増の4兆2400億円に達した。金利上昇による利ざや拡大、企業向け貸出金の増加、政策保有株の売却が好調を後押しした格好だ。

主な好業績要因は国内金利の上昇である。日本銀行は2024年3月にマイナス金利を解除し、同年7月と2025年1月に追加利上げを実施した。この結果、銀行の主要収益源となる預金金利と貸出金利の差――いわゆる利ざや――が大きく広がった。

貸出金残高も増加傾向にある。大企業を中心とした資金需要は依然として強く、国内外での貸出が堅調に伸びた。また、取引先企業との関係維持を目的に保有していた政策保有株の売却が収益改善に寄与した。

個別には三菱UFJフィナンシャル・グループの純利益が前年同期比25.0%増の1兆8629億円、三井住友フィナンシャルグループは同22.3%増の1兆1779億円と2002年の発足以来初めて1兆円を突破した。みずほフィナンシャルグループも同30.4%増の8854億円を計上した。

なお、3社は2026年3月期も過去最高益を見込む一方で、トランプ米政権の関税政策が重荷となる可能性を指摘している。金融市場の先行きには注意を要する状況である。


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