
――“利益供与の闇”がネットを震撼させる。政治家の“息子パワー”はどこまで通用したのか?
衝撃の告発:長男からの怒声テレアポ
2021年6月初旬、羽田空港ターミナルビル事業を担う日本空港ビルデングの子会社・ビッグウイング幹部のスマホが鳴り響いた。電話の相手は、かつて自民党幹事長や運輸大臣を歴任した古賀誠氏(84)の長男(52)。
「金が払われていない。何とかしろ」──幹部が受けた凄まじい叱責は、その後の“不適切支払い”の始まりに過ぎなかった。
プロローグ:マッサージチェア事業からの巨額リベート
- 2006年:長男がコンサル業「アネスト」を通じ、空港内マッサージチェア(MC)事業の“紹介料”を受領
- 当初は売上の一部を手数料として受け取り、その後も支払いが継続
- 契約終了後:支払いがストップ → 長男直々のクレームが発生
この要求を受け、ビッグ社と空港ビル社は「ダミー会社」を設立し、清掃業務などの“業務委託”を装う仕組みを編み出す。それでも委託先は拒否し、官民癒着の構図が浮き彫りになった。
第2幕:広告代理店契約で本領発揮
2008年には、MC事業に加えて広告代理店業務でも暗躍が始まる。
- アネスト→ビッグ社:広告掲載場所代を相場の半額で契約
- 企業→アネスト:掲示料は相場の3〜10倍で徴収
「場所代が安くなるなら」と甘い条件をのんだビッグ社。結果、アネストは“幅利かせ放題”となり、支払いが滞るケースも常態化した。
税務当局のメス──所得隠し指摘で新たな裏ルート
2016年、東京国税局がMC事業の経費不認定を指摘。これを受け、横田信秋社長(当時)は別会社経由の支払いを主導。
長男の「温存せよ」という声音に逆らえず、飛躍的に肥大化する金の流れ……。
エスカレートする要求──さらなる“起点企業”の紹介
- 2022年:設立間もないMC会社を紹介され、実績不明にもかかわらず業務委託
- 以降「もっと広いエリアで展開したい」と言われるがまま、支出は雪だるま式に増加
結果、MC事業だけで06〜16年の総額4億3,000万円に到達。政治家のコネを盾にした“権力リベート”の実態がここにある。
当事者の言い分
- 横田元社長:「(古賀氏の)お父さまが偉大な方だったので断ち切れなかった」「航空行政への影響力は期待しておらず、便宜供与は依頼されていない」
- アネスト:調査への回答拒否、古賀家本人への調査依頼も未対応
政治家の威光を正当に使ったのか、それとも私的利益を貪っただけなのか──。
政治と民間の“癒着構造”を斬る
- 人的関係の固定化
- 「先生の頼みなら」と社長自らが対応
- 以降16年間、コネクションを維持
- 裏ルート請負の常態化
- ダミー会社で粉飾
- 新規企業紹介で更なる利益供与
- 監督不在のまま拡大
- 監査機能の怠慢
- 税務指摘後も支払い続行
これらはすべて“政治の影”が作り出した負の遺産と言えよう。
社会的インパクトと今後の焦点
- 責任追及:空港ビル社トップの辞任だけで済むのか
- 再発防止:監督機能の強化と透明性確保
- 政治倫理:有権者が問うべき“公と私”の線引き
今後の調査委報告が待たれるが、すでにSNSでは「氷山の一角だ」「他にも出てくるはず」との声が支配的だ。
【まとめ】
古賀誠氏長男による“羽田空港ビル巨額要求”は、政治家の権威と民間企業の権力構造がいかに危うく結びつくかを示す典型例だ。今後、企業側の内部告発や追加資料の公開があるのか、また政治家本人の責任追及がどこまで及ぶのか――注目は尽きない。