詩編72編1-14節
12節 王が助けを求めて叫ぶ乏しい人を 助けるもののない貧しい人を救いますように。
理想的な王として描かれるダビデ、ソロモン王朝においても、格差や搾取は存在していました。この詩で描かれている民が求める王はメシア的王でした。その治世の特徴は、「貧しい者たち」、「極貧の者たち」に対して、義をもって、公平に統治することでした。人の統治機構の理想は未だ見つかっていません。原始共産制、共和制、帝政、政教一致、王政、民主政、自由主義、資本主義、社会主義、様々な挑戦が行われて来ました。そのどれにおいても、格差や貧困が発生し、修復は困難でした。民衆は民の叫びを聞き入れてくれる為政者が現れてくれることを必死に祈ることくらいしかできません。この祈りや叫びは現代にも共通の課題です。