英語教育の改善点や英語授業で注意すべき点をまとめ、効果的な英語指導法とはどのようなものか
第二言語を身につける上において、聞き読むことによって目標言語を自分の中に取り入れるインプットは必要性不可欠である。問題はどのようなインプットをどのように取り入れるのかが効果的なのかということである。ここでポイントなるのはインプットが理解可能(comprehensible)にすることである。生徒が知らない話題より生徒が知っている話題の方がインプットを理解可能となる可能性が高いのである。しかし、インプット理解は文法処理をしなくてもできることが多い。内容理解だけで良いとすると、文法形式は処理されず、習得に結びつかない可能性がある。学習者は「意味的な処理」(semantic processing)だけで止まる可能性がある。教師は学習者に「統語的な処理」(syntactic processing)つまり文法的処理をさせるためにはどのようにすれば良いかを考える必要がある。
これは中学校教員には悩ましい問題である。小学校までコミュニケーション中心で楽しくやっていいたが、中学校で文法訳読方式の授業やテストによる評価も入り、英語嫌いが増加する。コミュニケーションを重視したコミュカティブ・アプローチを選択すると、決まり文句やゲーム中心であると本当の意味での言語能力がつかない。そこで、コミュカティブ・アプローチを基本としつつ、学習者に正確さにも目を向けされながら、流暢さ(fluency)と正確さ(accuracy)のバランスを取ることが求められる。具体的に教員ができることは、正しさだけでなく、言いたいことが伝えられるか、またはメッセージを理解できているかを評価することである。例えば、文法項目が1つ違っていることで、得点を与えないというような観点ではなく、意味が通じるような内容であれば、文法が完璧でなくても、得点を与え、正しい文法に修正するというような観点で評価をするということである。
また、教員は生徒が躓いているように見えると何もかもをすぐに教えたくなる性がある。学習者がアウトプットによって、単語を組み立て、文法を考え、文章を紡ぐ間には、初学者には沈黙の時間が存在する。この沈黙の時間をこらえ教員は学習者が目標言語への溝を埋めようとしているのを見守ることも必要であるかもしれない。