結晶片岩の片理(へんり)に直角な面にミリメートル単位の厚さでみられる細かな縞目(しまめ)模様で、類似の構造は片麻岩にもある。これは、石英や長石など無色(肉眼的には白色)の鉱物に富む薄層と、雲母(うんも)や緑泥石、石墨などの有色鉱物に富む薄層とが、交互に繰り返して重なっているため、横からみたとき縞状にみえるものである。石英や長石は顕著な晶癖(しょうへき)をもたず、粒状結晶の集合体をなすが、雲母や緑泥石は鱗片(りんぺん)状の鉱物であり、それらが一定の方向に平面的に配列しているため、岩石に片理を生じ、またその面に沿って岩石が割れやすくなる。この構造は結晶片岩や片麻岩などの広域変成岩によくみられる。変成作用のときに働く不均質な力の下で、晶癖の著しく異なる鉱物が互いに分かれて、それぞれの薄層をつくるために縞状構造ができると説明されているが、まだ十分に解明されていない。