鳥媒植物の花の特徴→赤い花弁をもつものが多い、花は大型で花序[1]も丈夫
強い香りで存在をアピールする → コウモリ、蛾など媒の場合
他の植物の根に寄生して生育する植物 → ハマウツボ
ヤドリギ、ネナシカズラ → 茎
オニノヤガラ、ギンリョウソウ → 菌類に寄生
βカロテン → テルペノイド[2]の1種
アルカロイド[3]:ニコチン←タバコ、アトロピン←ヒヨス、ビンブラスチン←ニチニチソウ、モルヒネ←ケシ
ミドリムシは、真核生物が緑藻を取り込んだことが起源と考えられる
アヤメ→アヤメ科単子葉類、スイレン→原始的被子植物(単子葉類ではない)、ヤマユリ→ユリ科単子葉類、ココヤシ→ヤシ科単子葉類、ツユクサ→ツユクサ科単子葉類
酸素呼吸は、ほぼすべての真核生物に共通するプロセスである。
2019年度第1学期過去問
問 1 植物の代謝に関する次の①~⑤の記述のうち,正しいものを一つ選べ。
① デンプンとセルロースは共にグルコースが重合してできる高分子であり,同じ生合成経路によって作られる。 → 同じ合成経路ではない
※セルロースは最も豊富に存在する植物性多糖であり、あらゆる細胞上でUDP-グルコース[4]を経て合成される。
② アミノ酸は重合してタンパク質となり,体を構成する成分となるほか,他のさまざまな代謝産物の生合成前駆体となる。
③ Rubiscoは光合成のカルビン・ベンソン回路の鍵酵素であり,葉緑体のストロマでリブロース1,5-二リン酸に二酸化炭素(CO2)をくっつけてスクロースを作る。 →2分子の3-PGA(C3)[5]
④光呼吸は植物が光照射下で酸素(O2)を消費して二酸化炭素(CO2)を放出する反応であり,光合成の逆反応である。 → 3-PGAに戻されてカルビン・ベンソン回路に回収される
⑤4C光合成は,熱帯多雨林の環境に適応して進化してきた光合成の仕組みである。 →熱帯サバンナのようなエネルギーが豊富にあり、乾燥しているために気孔を閉じCO2不足になりやすい地域に適する
正解は②
問 2 植物の光受容体に関する次の①~⑤の記述のうち,誤っているものを一つ選べ。
① 青色光受容体クリプトクロムは動物にも存在する。
② フィトクロムには赤色光を吸収する形と青色光を吸収する形がある。
③ フィトクロムには赤色光を吸収する形と遠赤色光を吸収する形がある。
④ 芽生えの地上部が光の来る方向に屈曲する反応(光屈性)に関わる光受容体は青色光受容体フォトトロピン[6]である。
⑤ フィトクロムは発芽の調節に関わる光受容体である
正解②
問 3 植物ホルモンに関する次の①~⑤の記述のうち,正しいものを一つ選べ。
① 植物ホルモンはすべて細胞の核に存在するDNAと結合することで,細胞内情報伝達を介して生理作用を引き起こす。
② 植物ホルモンの中には植物自身が合成することができず,共生する微生物から供給されたものを用いるものがある。
③ 植物ホルモンはすべて水に溶けた状態で輸送される。
④ 植物ホルモンはすべて体内の特定の器官のみで合成され,維管束を通って,別の器官(標的器官)に輸送されて作用する。
⑤ 植物ホルモンの中には動物のホルモンと共通の物質はない。
正解⑤
問 4 根を水平に倒すと根の先端は重力の方向に屈曲する。このとき,水平になった根の下側(重力側)と上側(重力の反対側)でどのようなことが起きるか。次の①~⑤の記述のうち,正しいものを一つ選べ。
① 根の分裂領域において,上側が下側よりも細胞分裂を行うことによって下に屈曲する。
② 根の分裂領域において,下側が上側よりも細胞分裂を行うことによって下に屈曲する。
③ 根の伸長領域において,上側が下側よりも細胞伸長を行うことによって下に屈曲する。
④ 根の伸長領域において,下側が上側よりも細胞伸長を行うことによって下に屈曲する。
⑤ 根の分化領域において,上側が下側よりも細胞伸長を行うことによって下に屈曲する。
正解③→細胞伸長
問 5 フロリゲン(花成ホルモン)に関する次の①~⑤の記述のうち,正しいものを三つ選べ。
① フロリゲンはある種のタンパク質である。
② フロリゲンは根で合成される。
③ フロリゲンは維管束を通って輸送される。
④ フロリゲンは葉で合成される。
⑤ イネのフロリゲンとシロイヌナズナのフロリゲンは異なる物質のため短日植物と長日植物という異なる性質を示す。
正解①、③、④
問 6 花の器官の並び方を説明する「ABCモデル」の説明として次の①~⑤の記述のうち,正しいものを一つ選べ。
① A機能遺伝子が働くとがく片が,B機能遺伝子が働くと花弁が,C機能遺伝子が働くと雄ずいが形成され,すべての遺伝子が働くと心皮(雌ずい)が形成される。
② A機能遺伝子が働くとがく片が,B機能遺伝子が働くと花弁が,C機能遺伝子が働くと雄ずいが形成され,いずれの遺伝子も働かないと心皮(雌ずい)が形成される。
③ A機能遺伝子が働くと花弁が,B機能遺伝子が働くと雄ずいが,C機能遺伝子が働くと心皮(雌ずい)が形成され,いずれの遺伝子も働かないとがく片が形成される。
④ A機能遺伝子のみが働くとがく片が,A機能遺伝子とB機能遺伝子が働くと花弁が,B機能遺伝子とC機能遺伝子が働くと雄ずいが,C機能遺伝子のみが働くと心皮(雌ずい)が,それぞれ形成される。
⑤ A機能遺伝子が働くと花弁が,A機能遺伝子とB機能遺伝子が働くと雄ずいが,A機能遺伝子とB機能遺伝子とC機能遺伝子が働くと心皮(雌ずい)が形成され,いずれの遺伝子も働かないとがく片が形成される。
正解④
問 7 植物の配偶体に関する次の①~⑤の記述のうち,誤っているものを一つ選べ。
① 一組の染色体をもつ半数体である。
② 被子植物の配偶体は花粉と卵である。 →胚珠(はいしゅ)
③ 通常私たちが目にするコケ植物のからだは配偶体である。
④ 被子植物の胚嚢は雌性配偶体である。
⑤ 被子植物の雄性配偶体は栄養細胞と2個の精細胞からなる
正解②
問 8 植物の可塑性に関する次の①~⑤の記述のうち,誤っているものを一つ選べ。
① 可塑性は移動のできない植物にとって必須の性質であるため,より高い可塑性を発揮する個体がつねに進化的に有利である。
② 生け垣は植物の可塑性を人為的に利用したものである。
③ 盆栽は植物の可塑性を人為的に利用したものである。
④ 光屈性は植物の可塑性の1つにあたる。
⑤ 神社仏閣型矮性はサイズの可塑性が特定の範囲に固定されてしまったタイプにあたる
正解①
問 9 日本在来種であるカンサイタンポポと帰化種セイヨウタンポポに関する次の①~⑤の記述のうち,正しいものを二つ選べ。
① カンサイタンポポは総苞片が花序に密着するが,セイヨウタンポポでは総苞片が反りかえるという特徴がある。
② 都会の中心部ではカンサイタンポポの方がセイヨウタンポポより多い。
③ カンサイタンポポはセイヨウタンポポによる繁殖干渉によって減少している。
④ カンサイタンポポは受粉しなくても種子を作ることができる。
⑤ カンサイタンポポとセイヨウタンポポの雑種はカンサイタンポポにそっくりである。
正解①、③
問10 植物に感染あるいは共生する微生物がもつプラスミド(環状のDNA)の中で,植物バイオテクノロジーで広く用いられるものはどれか。次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① アグロバクテリウムのTiプラスミド
② 根粒菌のSymプラスミド
③ 根粒菌のNodプラスミド
④ アーバスキュラー菌根菌のAKKプラスミド
⑤ 放線菌のHSKプラスミド
正解①
問11 二次代謝産物について次の①~⑤の記述のうち,誤っているものを二つ選べ。
① 二次代謝産物は化学構造の多様性が高く,ジャガイモに含まれるアルカロイドであるソラニンのように,特定の植物種にしかみられないものが多い。
② 二次代謝産物は,一次代謝の結果として二次的に生じる化合物であり,生理機能を持たない。
③ 二次代謝産物は生理活性を持つものが多く,医薬品として利用されるものが多い一方で,猛毒で致死性の高いものもある。
④ 二次代謝産物は,ヒトにとっては植物由来の健康成分であり,天然由来であるため食べてもまったく安全である。
⑤ 二次代謝産物には特定の器官にのみ高蓄積する性質のものもある。
正解②、④
問12 生物の系統について次の①~⑤の記述のうち,正しいものを二つ選べ。
① 菌類,植物,動物の3グループは,まず動物がその他から分岐し,そののちに菌類が,そして最後に植物が分岐したと考えられる。
② 紅藻,褐藻,緑藻はすべて一次植物のグループである。
③ マラリア原虫は葉緑体が退化した細胞内小器官を持っている。
④ アメフラシ類の中には藻類の葉緑体を2次的に細胞内に取り込み光合成させる能力をもつものがある。
⑤ ミドリムシは緑藻が他の真核生物を細胞内に取り込むことで生じた二次植物である
正解③、④
平成30(2018)年度第2学期単位認定試験
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問 1 根が重力の方向に向かって成長する性質を重力屈性という。次の①~⑤のうち,根において重力を感受する組織として正しいものを一つ選べ。
① 表皮 ② 皮層 ③ 根冠コルメラ ④ 静止中心 ⑤ 側部根冠
正解③
問 2 次の①~⑤の化合物群のうち,フェニルプロパノイドでないものはどれか。一つ選べ。
① カテキン ② フェニルアラニン ③ アントシアニン ④ リグニン ⑤ イソフラボン
正解②
問 3 「植物」に関する次の①~⑤の記述のうち,正しいものを二つ選べ。
① 葉緑体は細胞内共生したラン藻がその起源となっている。
② ミトコンドリアは細胞内共生したラン藻がその起源となっている。
③ 紅藻は一次植物である。
④ 褐藻は一次植物である。
⑤ マラリア原虫は一次植物が葉緑体を退化させたものである
正解①、③
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問 4 種子植物の進化の過程において,単子葉類と真正双子葉類が分岐する前の段階で系統が分かれたグループがいくつか知られている。次の①~⑤のうち,それらに属さないものを二つ選べ。
① スイレン→原始的被子植物
② ツユクサ→単子葉類
③ アウストロバイレヤ →原始的被子植物
④ イチョウ →裸子植物
⑤ バラ→中核真正双子葉植物
正解②、⑤
問 5 葉序に関する次の①~⑤の記述のうち,誤っているものを二つ選べ。
① 葉序のタイプとしては対生,互生,輪生などがある。
② 植物ホルモンのオーキシンの極性輸送によってそのパターンは制御されている。
③ 植物ホルモンのオーキシンの拡散によってそのパターンは制御されている。
④ 葉序のパターンは1個体の中で変化することがある。
⑤ 葉序のパターンは常に黄金分割を保つ。→螺旋状の葉と葉がなす角度はあとの方になると次第に小さくなり、最終的に黄金分割に収束することが多い。
正解③、⑤
問 6 次の①~⑤のうち,シュートの一部とは見なせないものはどれか。一つ選べ。
① キソケトンの無限葉
② クサナギカズラの平たい仮葉枝
③ アリノスダマのアリが住む肥大部
④ シロイヌナズナのロゼット
⑤ ヤクシマカワゴロモの平たい緑色の部分→屋久島皮衣は根である
正解⑤
問 7 葉の原基に関する次の①~⑤の記述のうち,誤っているものを一つ選べ。
① シュート頂分裂組織から生じる。
② 単子葉植物ではその基部に細胞分裂領域が局限されている。
③ 葉の表はシュート頂分裂組織に面した側に,HD-ZipIII遺伝子群の働きで作られる。
④ 葉の裏はシュート頂分裂組織には面していない側に,KANADI遺伝子群の働きで作られる。 ⑤ 葉の裏側を決定している遺伝子の機能が失われると,2面とも表の性質を持つ平らな葉を作る。→葉の背腹性に異常。向軸面の性質を失った場合。葉と茎の間に腋芽[7]がみられない。
正解⑤
問 8 種子散布様式について次の①~⑤の記述のうち,正しいものを一つ選べ。
① イチジクの種子はイチジクコバチによって散布される。
② 哺乳類散布の植物の果実には,果皮が赤く着色したものが多い。
③ ツリフネソウの種子は風散布種子である。 →果実が自動で弾けて種子を飛ばす
④ ドリアンの種子散布者は主に鳥である。 →類人猿(オランウータン、テナガザル)
⑤ 堅果類の多くは,隠匿貯蔵の性質を持ったネズミ類やリス類などに散布される。
正解⑤
問 9 真正双子葉植物の胚発生において,子葉の原基が最初に認められるのはどの時期か。次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① 8細胞期 ② 16細胞期 ③ 球状胚期 ④ 心臓型胚期 ⑤ 魚雷型胚期
正解④
問10 種子植物のシュート頂分裂組織について次の①~⑤の記述のうち,正しいものを一つ選べ。
① 保護組織で覆われる。
② 葉や茎を作り出す。
③ その全てが1つの幹細胞に由来する。
④ シュートの中で最も活発に細胞分裂している。→葉の原基がシュート頂分裂組織の他のどの領域よりも活発に細胞分裂する
⑤ 有限成長性である。
正解②
問 11 次の①~⑤のうち,植物の胚において子葉や幼根の発生に特に重要な役割を果たす植物ホルモンを一つ選べ。
① オーキシン ② ジベレリン ③ エチレン ④ ジャスモン酸 ⑤ ブラシノステロイド
正解①→真正双子葉植物の胚発生では、オーキシンが極性輸送され、特定の部位に集まることで、子葉や幼根の形成が進む。
問12 マメ科植物と根粒菌の共生に関する次の①~⑤の記述のうち,誤っているものを一つ選べ。
① 根粒菌はマメ科植物の根から分泌される植物ホルモン(ストリゴラクトン)に応答して,根の根毛に付着する。 →誘引物質(フラボノイド類)に応答
② 根毛に付着した根粒菌はNodファクターと呼ばれる物質を分泌し,根毛の先端部のカーリングを引き起こす。
③ 根粒菌は根粒内部の細胞の中でバクテロイドという細胞内構造に変化して,細胞小器官(オルガネラ)のようにふるまう。
④ 根粒菌が変化したバクテロイドは,ニトロゲナーゼという酵素の働きにより,大気中の窒素を固定してアンモニウムイオンを生じる。
⑤ 根粒菌はマメ科植物と共生しなくても増殖することが可能な微生物である。→正しい
正解 ①
[1] 花が茎または枝に付く、その並びかた。また、花をつけた茎または枝。
[2] terpenoid, イソプレノイド(isoprenoid)
テルペノイドはC5単位のイソプレンが複数個結合してできた天然有機化合物群であり、イソプレノイドとも呼ばれ、植物、菌類、昆虫などに幅広く存在している。C10単位のモノテルペンやイリドイド、C15のセスキテルペン、C20のジテルペンおよびC30のトリテルペンに分類される。基本単位のイソプレンは、イソペンテニル二リン酸(IPP)が生合成前駆体であり、このIPPは「メバロン酸経路」あるいは「1-デオキシキシルロース酸経路(非メバロン酸経路」のいずれかの経路によって生合成される。現在のところ、トリテルペノイドやステロイドはほとんどメバロン酸経路由来と報告されているが、そのほかのテルペノイドについては明確な結論は得られておらず、両方の経路を併用しているとの報告もある。2つの経路を併せてイソプレノイド経路と呼ばれている。
[3] 植物中に存し、窒素を含む塩基性化合物の総称。ニコチン・コカイン・カフェインなど。人畜に顕著な薬理作用をもつものが多い。
[4] ウリジン二リン酸グルコース(Uridine diphosphate glucose)
[5] 3-ホスホグリセリン酸
[6] phototoropin 光屈性に関わるもの の意
[7] 葉のつけねのところにはえる芽(め)。