日産、追浜・湘南の国内2工場閉鎖案浮上—経営再建へ工場再編加速


日産自動車は経営再建の一環として、グループ全体で2万人規模の人員削減とともに、世界で7つの工場を閉鎖する方針を示している。その中で、国内工場についても再編が検討されており、神奈川県横須賀市の追浜工場と、平塚市の日産車体湘南工場が会社の計画案に含まれていることが関係者への取材で明らかになった。

追浜工場は1961年の操業開始以来、日産の主力工場として機能してきた。年間生産能力は約24万台、2023年10月時点の従業員数は研究所・試験場を含めて約3900人に上る。一方、日産車体湘南工場は年間約15万台の生産能力を持ち、小型商用車の生産を担っている。しかし、両工場とも近年は稼働率の低下が課題となっていた。

仮に国内工場の閉鎖が実現すれば、1999年の経営危機時にカルロス・ゴーン氏の下で決定された東京・村山工場以来の国内拠点整理となる。巨額赤字を抱える日産は抜本的な構造改革に踏み切る方針だが、雇用や取引先など地域経済への影響が大きいため、慎重な判断が求められる。

なお、日産自動車は今回の報道について「一部工場の閉鎖に関する報道は憶測に基づくものであり、当社が発表したものではない」とコメント。既にアルゼンチン生産からの撤退やルノーと共同運営していたインド工場からの撤退は公表済みだが、「それ以外の工場閉鎖や統合について現時点で公表できる情報はない」としている。


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