小野寺五典政調会長が警告!物価高対策は「財政破綻国家への一路」か


リード

自民党の小野寺五典政調会長が5月10日、福井市内で行った講演で、「国債発行を続ければ最後は財政破綻国家になる」と痛烈に警鐘を鳴らした。円安と物価高の悪循環を断ち切るため、いま求められる財政規律とは何か。最新の政府予算動向や専門家の声を交えながら徹底解説する。 iJAMPポータル

国債発行の“副作用”

「物価高対策の原資として国債を発行すると、円の信用が落ちて円安になる。そうするとまた物価が上がる。(国債発行による対策を)やり続ければ最後は財政破綻国家になる」と小野寺氏は断言した。 iJAMPポータル
この発言は、政府債務が膨張するほど市場の信認が低下し、長期金利や為替相場に悪影響を及ぼすという典型的なコストプッシュ型インフレのリスクを指摘したものだ。 ディレクトリ

1,000兆円超えの“借金”と国民心理

さらに小野寺氏は「日本の借金は1,000兆円を超えている。これ以上増えると、円に対する不安が出てくる」と強調した。 iJAMPポータル
財務省のデータによれば、既存の公債残高はGDP比で約2倍に達し、先進国の中でも最も高い水準にある(対GDP比約260%)。 財務省

専門家からの“反論”も

一方、ネット上では「日本の借金ではない」「100%自国通貨建てだから破綻しない」と反論する声も見られる。X(旧Twitter)では「勉強不足で残念な人だと思う」といった辛辣なコメントが相次いでいる。 X (formerly Twitter)
こうした反応は、主に理論的に政府が自国通貨建て債務で破綻しないとする「現代金融理論(MMT)」寄りの議論によるもので、実際の市場心理との乖離を示唆している。

今後の財政運営は?

政府は2025年度の予算編成にあたり、歳出抑制と歳入拡大を並行して進める方針だ。令和7年度(次年度)の新規国債発行額は28.6兆円と、前年度の35.4兆円から大幅削減され、17年ぶりに30兆円を下回る見通しとなっている。 Reuters
しかし一方で、財務省は今後数年間で利払い費が50%以上増加し、2028年度には約16.1兆円に達すると試算している。 Reuters

まとめ

円安・物価高の悪循環を断ち切るためには、短期的な景気刺激策だけでなく、中長期的な財政健全化が不可欠だ。小野寺氏の警告は、その危機感を端的に表している。今後の国会論戦や予算審議では、どの程度まで国債発行を抑制し、歳出削減と改革を実現できるかが焦点となるだろう。


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