大手証券会社4社が大幅増益 2024年度決算概況


2024年度における大手証券会社5社の通期決算が公表された。株式や投資信託の販売が堅調であったこと、加えて企業の合併・買収(M&A)の活発化に伴い助言収入が増加したことから、5社中4社で最終利益が前年度比で大幅に増加した。

具体的には、野村ホールディングスが最終利益3,407億円(前年度比約2倍)と過去最高益を記録したほか、大和証券グループ本社が1,543億円(同27%増)、三菱UFJ証券ホールディングスが738億円(同16%増)、SMBC日興証券が727億円(同26%増)となった。一方、みずほ証券の最終利益は1,470億円であったが、繰延税金資産の計上により利益が押し上げられた前年度と比較すると10%減少し、増益となったのは4社にとどまった。

各社とも、資産運用への関心の高まりを背景に株式や投資信託の販売が堅調であり、また、企業によるM&Aや株式・社債の発行が活発であったため、助言および引受手数料収入の増加が業績を後押しした。

一方で、米国トランプ政権による関税措置など外部環境の不安定化により、M&Aや株式引受業務の案件が減少しつつある状況も指摘されている。みずほ証券の上野哲CFOは会見で、「このような環境下ではM&Aや株式引受案件が出にくい。また、市場環境が不安定なため、個人向け営業も順調とは言い切れない」と慎重な見解を示した。


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