
近年、あおり運転の件数は前年に比べ約2割増加している。5月13日付のANN報道によれば、長崎市内で前走車への車間を詰め、急ブレーキをかける映像が撮影されるなど、全国で危険運転が多発している。
先月下旬、長崎市内の国道で赤い乗用車が白い車に対し著しく車間を詰めた末、急ブレーキをかける場面が映像に残された。撮影者は「恐怖を感じ、すぐに警察へ通報した」と証言している。
また、九州地方では高速バスへの威嚇事案も発生した。白い乗用車がバスの前方へ割り込んだ後、急減速して衝突。さらに運転手を取り囲み、大声で威嚇するなどの危険運転致傷の疑いで逮捕者が出ている。
札幌市内を走行中のタンクローリーにも、身を乗り出して挑発するあおり運転が確認された。タンクローリー運転手は「2万リットルの灯油を運搬中で、一歩間違えれば大惨事になった」と語っており、その危険性は極めて高い。
調査によると、2000人以上のドライバーを対象に行ったアンケートでは、70%以上が「あおり運転を受けた経験がある」と回答し、前年比で約2割増となった。
明星大学・藤井靖教授の研究では、1000人以上の加害者証言から、多くが「自分はむしろ被害者だ」と認識していることが明らかになった。約8割は加害行為に自覚がなく、6割が「仕返しだ」「教えてあげたつもりだ」と正当化する心理を持つという。
被害に遭った際の対処法として、藤井教授は以下の三つの「と」を提唱する。
- 捉える:車間距離の異常を早期に察知し、安全な距離を保つ。
- 止まる:一般道では路肩に停車し、加害車両を先に行かせる。
- 録る:ドライブレコーダーやボイスレコーダーで記録を残し、証拠とする。
これらを実践することで、あおり運転のリスクを低減し、危険な状況を回避できる可能性が高い。