世界の平均地上気温は1850年から1950年は平均以下で推移しているが、1950年以降温度が上昇している。特にこの100年では気温が1℃上昇した。その原因は温室効果ガスの増加が原因である可能性が極めて高い。
温室効果ガスには水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロン類がある。温室効果とは、戻ってきた赤外線が地球を暖める現象である。温室効果ガスとは、地表面から赤外の波長域の放射は大気によりよく吸収される領域があり、地表面を暖かくした状態に保つ効果がある気体である。
二酸化炭素の大気中の濃度は過去数百年にわたって280ppm程度であったが、18世紀半ばから上昇を始め、特にここ数十年で急激に増加している。これは、動力などの燃料として石炭や石油が大量に使われるようになったためである。
二酸化炭素以外の温室効果ガス(メタン、一酸化二窒素など)も、同様に18世紀半ばから急激に増加している。これは、増加した人口をささえるための農業や畜産業などの活発化にともなう、耕地の拡大、肥料の使用の増加、家畜の増加などによるものと考えられている。
世界の二酸化炭素排出量は、中国が最大で近年は毎年約90億トン以上、2番目に多いアメリカは約50億を排出し、全世界の排出量40%程度を占めている。日本は中国やアメリカの1/4以下の排出量であるが、世界で5番目の排出量である。一人当たりの排出量(年間)ではアメリカが最も多く約15.1トン、日本は約8.5トンとなっている。
一次エネルギーの供給は、多くの国で、化石燃料由来の燃料が使われており、産業化に従い二酸化炭素排出量の増加に拍車をかけている。そのため、二酸化炭素を減らす取り組みとして、電気の低炭素化、再生可能エネルギーの利用が重要になる。太陽光や風力、地熱といった地球資源の一部を利用するというものである。
再生可能エネルギーの種類には、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電などがある。問題点は火力発電に比べて、発電コストが高いことと太陽光や風力は既存の電力系統へ接続すると需要と供給バランスの崩れを引き起こす可能性があることがある。この危険性を回避するため、発電コスト削減へ向けた研究開発と電力会社間で連携が必要である。