鹿児島県屋久島で2016年9月、フィールドワークの授業中に水死した九州大1年の男子学生の両親が大学側に、安全管理を怠ったとして損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁は17日、九大に約7700万円の支払いを命じた。
日景聡裁判長は判決理由で、引率した教授(当時)が救命胴衣などを準備せず、事前説明も川の危険性を伝えるのに不十分だったと指摘。「引率責任者として学生の安全を確保すべき注意義務を怠った」と判断した。
両親は九大と教授に計約9145万円の賠償を求めたが、教授個人への請求は「公務員で個人責任は負わない」として棄却した。