
――食卓を変える35円の食パン vs 50円のごはん――
今年1~4月、パン屋の倒産件数が前年同期の13件からわずか7件に半減した。高級パンブームの後退と小麦価格の落ち着きに加え、コメの高騰が追い風となり、“パン生活”が家計防衛の切り札に浮上している。
倒産急増から一転、回復基調へ
- 2019年:高級パンブームが到来し、倒産件数は過去最多の34件を記録。
- 2024年:小麦・光熱費の高騰で31件に急増。
- 2025年1~4月:7件とコロナ禍前の低水準に回帰。
地域に根ざしたパン屋ほど顧客基盤は盤石だったものの、高級志向の変化や価格転嫁の遅れで苦境に陥った店も少なくない。しかし、ライバルであるコメ価格の高騰により、節約意識の高い消費者がパンに回帰しつつある。
“コスパ勝負”でパンが圧勝
- 食パン(6枚切り):210円 → 1枚あたり約35円
- コメ(2kgパック):2,100円 → お茶碗1杯(100g)あたり約50円
家族3人で毎朝パンにすると月額約3,150円。コメなら約4,500円となり、パン生活に切り替えれば月1,350円の節約が可能だ。
消費者の声
「これまではごはん派だったが、パンのほうが安くておいしいものも多いと気づいた」(30代・会社員)
「小麦価格が落ち着き、値上げも一巡。お気に入りのパンを気兼ねなく買えるのがうれしい」(40代・主婦)
パン屋のチャンス到来
- 新商品開発:低糖質や地元食材を使った“ごはんに負けない”パンが続々登場。
- サブスクリプション:定期購入プランで固定顧客を確保。
- イートイン強化:カフェスペースを併設し、外食需要も取り込む。
コメ価格の高止まりは当面続く見込みであり、今後もパン需要は安定的に推移しそうだ。政府備蓄米の放出があっても大幅な価格下降は期待しにくく、パン屋には“もう一度選ばれる”絶好の機会が到来している。
おいしく賢い“パン生活”3つのポイント
- 地元ベーカリーを応援:新鮮な焼きたてパンで栄養バランスを確保。
- 冷凍ストック活用:まとめ買いしたパンはスライスして冷凍し、いつでもトースト可能。
- 手作り派チャレンジ:休日にホームベーカリーで焼けば、さらにコストダウン&達成感アップ。
パン屋にも家計にも嬉しい“パン生活”を、この機会に始めてみてはいかがだろうか。