サルトル(仏, 1905-1980)は、実存主義の代表者である。人間の本質は神より先天的に定められたものでなく、先ず実存として世界に存在し、後天的に自己の本質を自らの力で作り出す自由な存在であると捉えた。「実存は本質に先立つ」そして、自由であるがゆえにその責任を負わねばならず、その責任から逃げることは自由であることを放棄して「自己欺瞞」に陥るとした。よって、「社会参加(アンガージュマン)」を通して社会的な責任を負うことで真の実存として生きねばならないと主張した。「存在と無」などの思想を小説『嘔吐』戯曲『出口なし』などで表現。ノーベル賞は辞退した。