インプット・アウトプットのそれぞれの「役割」や「量を増やし、質を高める方法」をまとめ、効果的な英語学習方法とはどのようなものか


インプット・アウトプットのそれぞれの「役割」や「量を増やし、質を高める方法」をまとめ、効果的な英語学習方法とはどのようなものか

 インプットの役割は、そもそもインプットがなければ、何も始まらないということがある。インプットそして中間言語を通してアウトプットがなされる。インプットがあって初めて中間言語体系が構築され、それに基づいたアウトプットが可能になるのである。つまり、第二言語習得習熟のためにはインプットが不可欠である。5行

 クラッシェンは「インプット仮説」(Input Hypothesis)により、理解可能なインプットを大量に取り込めば、第二言語は自然と身につくと提唱した。「理解可能」(comprehensible)とは、現在の能力よりも少しだけ難しめ”i+1”のインプットを意味している。インプットが難し過ぎる簡単過ぎる場合「気づき」が生じず、第二言語習得を促進するには適切なレベルのインプットを大量に取り込むことが重要であると考えられている。5行

 第二言語習熟には気づき、理解、内在化、統合をいかにスムーズに行うかが重要である。そのインプットの質についてまとめる。気づきを意図的に促す手段として、「インプット強化」(input enhancement)や「インプット洪水」(input flood)と呼ばれる、特定の言語形式太字や下線により目立たせる、頻繁にインプットを行うようにする手段が提唱される。また、理解を「内在化」するため対話が重要な働きを果たすという「インタラクション仮設」(Interaction Hypothesis)がロングにより提唱された。学習者が対話(インタラクション)に参加することにより、分からないことを聞き返すなどの「意味交渉」(negotiation of meaning)が起こる。このような交渉により、初めは理解できなかった相手のインプットが理解しやすくなり、結果として言語理解が促進される。8行

アウトプットに関しては、スウェインが提唱した「アウトプット仮説」(Output Hypothesis)が有名である。インプットのみでは、文法能力や社会言語能力は期待したほど向上せず、その原因はアウトプット不足であるとし、アウトプットにより第二言語習得が促進されると主張した。他には、インプットは「意味処理」(semantic processing)を促進するのに対し、アウトプットは意味処理に加え文法などの「統語処理」(syntactic processing)を促進する。このことから効率的な言語習得にはインプットだけでなくアウトプットも不可欠である。

 アウトプットの質と量を高める効果的方法について、次の4条件があげられる。「有意味性」この条件で大切なことはメッセージ性のあるアウトプットを行うことである。「関連性」この条件は自身の興味・関心と関連あるトピックの方が望ましいとする。「音声と文字のアウトプット」この条件は音声そしてEメールなども想定し国際ビジネスにも活用できる英文のアウトプットであることが望まれる。「文法への注意」この条件は言語形式や文法にも注意を向けることが望ましいとされる。


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