日本国内外で絶大な人気を誇る漫画「呪術廻戦」が、30日発売の雑誌で約6年半にわたる連載を終了しました。この作品は、芥見下々氏が描くダークファンタジーの代表作で、人間の負の感情から生まれる呪いを巡り、呪術師と化け物が戦う物語です。2018年から「週刊少年ジャンプ」で連載が開始され、累計発行部数は1億部を超え、アニメ化や映画化、主題歌のヒットなども相まって、国内外で非常に高い人気を博しました。
連載の最終話が掲載された雑誌が発売された日、東京の書店では早くも多くのファンが殺到し、予約の問い合わせが相次ぐほどの反響がありました。ある30代の女性ファンは「物語がどう終わるのか楽しみにしていました。キャラクターが魅力的なので、スピンオフなどで続いてほしい」と語り、物語の完結に対する複雑な感情を表現していました。
また、作者の芥見氏は、最終話にあたって「自分の望んだ形で物語を締めくくることができたのは、読者の皆様のおかげです」とコメントを発表し、感謝の意を表明しました。芥見氏は、自分が意図した形で作品を完結させることができたことに満足感を示し、ファンへの感謝の気持ちを強調しました。
このような人気作品の完結が続く中、業界では「完結の時期」について様々な意見が交わされています。元編集者の島田一志氏は、「呪術廻戦」は「鬼滅の刃」や「チェンソーマン」とともにダークファンタジーブームを牽引した作品だと評価しています。島田氏は、近年の人気作品が、最高潮の時期に連載を終了することが増えている背景には、作者が自身の描きたい物語を描き切るという姿勢があると述べています。
たとえば、「鬼滅の刃」や「約束のネバーランド」、「東京卍リベンジャーズ」など、海外市場の影響も受けながら、アニメ化されることを前提とした適度な長さのコンテンツ作りが求められる傾向があると指摘しています。従来のように長期連載が続くのではなく、より凝縮された形で作品を提供するスタイルが、現在のトレンドとなっているのです。
「呪術廻戦」の完結は、このような新しい潮流の一例にすぎませんが、多くのファンにとっては物語が終わることで一つの時代が終わると感じられるでしょう。一方で、このトレンドが今後どのように進化し、どのような新しい作品が生まれてくるのか、業界の動向がさらに注目されるところです。